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ブラウザのURL欄にJavaScriptのコードを直接入力して実行することで、ページに特殊な効果を与えるという試みは、過去にはよく見られました。しかし、おっしゃる通り、セキュリティ上の懸念から、現代の多くのブラウザではこのようなJavaScriptの実行は大幅に制限されています。特に、URL欄に `javascript:` で始まるコードをペーストして実行しようとすると、ブラウザが `javascript:` の部分を自動的に削除したり、実行をブロックしたりすることが一般的です。 
 
それでも、完全に不可能になったわけではなく、状況によっては動作するものや、ブックマークレットという形でなら同様の機能を実現できる場合があります。 
 
以下に、過去に知られていた、あるいはブックマークレットとして応用できる可能性のあるJavaScriptのアイデアと、それらが現代のブラウザでどのように扱われるかについて説明します。 
 
**注意:以下のコードを試す場合は、自己責任でお願いします。特に、信頼できないソースからのJavaScriptコードを実行することは、セキュリティリスクを伴う可能性があります。** 
 
### 過去に話題になった、またはブックマークレットとして応用できるアイデア 
 
1. **ページ上の全要素を回転させる (CSS3を利用)** 
* **アイデア:** ページ内の全てのHTML要素を取得し、それぞれに回転するCSSスタイルを適用します。 
* **コード例 (ブックマークレット向け):** 
```javascript 
javascript:(function(){document.body.style.transition='transform 2s'; document.body.style.transform='rotate(360deg)'; setTimeout(function(){document.body.style.transition=''; document.body.style.transform='';}, 2000);})(); 
``` 
または、各要素を個別に回転させるようなより複雑なものも考えられます。 
```javascript 
javascript:(function(){[].forEach.call(document.querySelectorAll('*'),function(a){a.style.transition='transform 1s';a.style.transform='rotate('+(Math.random()*720-360)+'deg)';});setTimeout(function(){[].forEach.call(document.querySelectorAll('*'),function(a){a.style.transition='';a.style.transform='';});},5000)})(); 
``` 
* **URL欄での動作:** 最近のブラウザでは直接入力での実行は難しいでしょう。ブックマークレットとして保存・実行すれば動作する可能性があります。 
 
2. **ページ上の画像を全て同じ画像に置き換える** 
* **アイデア:** ページ内の全ての `<img>` タグを取得し、その `src` 属性を指定した画像のURLに書き換えます。 
* **コード例 (ブックマークレット向け):** 
```javascript 
javascript:(function(){var newImageURL='ここに置き換えたい画像のURL'; [].forEach.call(document.getElementsByTagName('img'),function(img){img.src=newImageURL;});})(); 
``` 
* **URL欄での動作:** 同様に、直接入力は難しいですが、ブックマークレットなら可能です。 
 
3. **ページ上の文字をランダムな文字や記号に書き換える(いわゆる「文字化け」風)** 
* **アイデア:** ページ内のテキストノードを探索し、その内容をランダムな文字列に置き換えます。これは元に戻すのが難しく、実用性は低いですが、視覚的な「崩壊」効果はあります。 
* **コード例 (非常に破壊的なので注意・ブックマークレット向け):** 
```javascript 
javascript:(function(){var all=document.getElementsByTagName("*");for(var i=0,max=all.length;i<max;i++){if(all[i].childNodes.length>0){for(var j=0,max_j=all[i].childNodes.length;j<max_j;j++){if(all[i].childNodes[j].nodeType==3){all[i].childNodes[j].nodeValue=all[i].childNodes[j].nodeValue.replace(/[^\s]/g,function(){return String.fromCharCode(Math.floor(Math.random()*65536));});}}}}}(); 
``` 
* **URL欄での動作:** 直接入力は難しいでしょう。**この種のスクリプトはページの表示を完全に破壊する可能性があるため、使用には最大限の注意が必要です。** 
 
4. **ページ全体を編集可能にする** 
* **アイデア:** `document.body.contentEditable` プロパティを `true` に設定します。 
* **コード:** 
```javascript 
javascript:document.body.contentEditable='true'; void 0; 
``` 
* **URL欄での動作:** これは比較的シンプルなため、ブラウザや設定によってはまだURL欄から直接実行できる可能性があります(ただし、`javascript:` が削除されないように手入力する必要があるかもしれません)。しかし、これもセキュリティポリシーによりブロックされることが増えています。ブックマークレットとしては依然として有効な場合が多いです。 
 
5. **画面を点滅させる、色を反転させる** 
* **アイデア:** CSSを使って `filter: invert(1)` や、背景色と文字色を短時間で切り替えることで実現します。 
* **コード例 (色反転ブックマークレット):** 
```javascript 
javascript:(function(){var s=document.body.style; if(s.filter=='invert(1)'){s.filter=''}else{s.filter='invert(1)'}})(); 
``` 
* **URL欄での動作:** 直接入力は難しいでしょう。ブックマークレットなら可能です。 
 
### なぜURL欄からのJavaScript実行は制限されるのか 
 
主な理由はセキュリティです。 
 
* **XSS (クロスサイトスクリプティング) 対策:** 悪意のあるウェブサイトや第三者が、ユーザーに特定のJavaScriptコードをURL欄に貼り付けて実行させることで、セッション情報を盗んだり、予期せぬ操作を行わせたりする攻撃を防ぐためです。 
* **ユーザー保護:** 知識のないユーザーが、意図せず危険なコードを実行してしまうことを防ぐためです。 
 
### ブックマークレットとしての利用 
 
上記のようなコードの多くは、ブックマークレットとしてブラウザのブックマークに登録することで、クリックひとつで実行できるようになります。ブックマークレットを作成するには、通常、ブックマークのURL欄に `javascript:` で始まるコードを記述します。 
 
**ブックマークレットの例 (ページタイトルをアラート表示):** 
`javascript:alert(document.title);` 
 
### まとめ 
 
URL欄に直接JavaScriptを打ち込んでページに派手な視覚効果を与えるというのは、現代のブラウザ環境ではセキュリティ上の制約から非常に難しくなっています。もしそのような効果を試したい場合は、 
 
* **ブラウザの開発者コンソール (F12キーなどで開けます) を使う:** コンソールからは任意のJavaScriptを実行できます。 
* **ブックマークレットとして登録する:** 安全性を確認した上で、自己責任でブックマークレットとして利用する。 
 
という方法が現実的です。 
 
繰り返しになりますが、インターネット上で見つけた見慣れないJavaScriptコードを安易に実行することは避けてください。コードの内容を理解し、安全性を確認した上で、自己責任において試すようにしましょう。